札幌すすきの、P-TOPAZが迎えた半年──非日常の夜を分かち合う場所として
札幌すすきのに小さな扉を開けてから、ちょうど半年が経ちました。ハプニングバー「P-TOPAZ(ピートパーズ)」がオープンしたのは、2024年の冬の終わりです。いま振り返ると、どんなお店になるのかの不安と緊張感とともにスタートしたあの日から、思えばあっという間だったように感じます。
この6か月、本当にいろんな夜がありました。
笑い声の響く夜もあれば、しっとりお客様とお二人で静かに言葉が交わされる夜もありました。来店された方の数だけいろんな出来事やハプニングがありましたが、ここには毎晩、何かしらの“ハプニング”が起きていたように思います。
P-TOPAZの「空気」ができるまで
P-TOPAZは、10人に満たない小さな空間で、スタッフもおらず、マスターである私ひとりがその場に立っています。
この店には、いわゆる“派手な演出”や“強く背中を押す空気”はありません。
決して、煌びやで豪華な東京スタイルのお店ではありませんが、秘密基地というか第2の実家的な空間になれている気がします。
何かを求めすぎず、でも関わることを恐れすぎず、少しだけ自分を解き放ちたい。
そんな人がぽつりぽつりと集まって、夜ごとの一体感を作っていく場所。
非日常を体験したい、でも派手すぎるのは苦手。そんな声に静かに応えてきた半年でした。
言葉にしづらいことを、言葉にできる時間
私がこのお店を始めようと思った理由のひとつに、「性的なことを語れる場所が少なすぎる」という思いがありました。
パートナーとの関係に悩んでいても、職場では話せない。 家庭内で満たされない想いを抱えていても、友人には言いづらい。
それは決して特別な話ではなく、むしろ多くの方が日常のどこかで抱えているテーマのように思います。
P-TOPAZでは、そうした感情や関係の機微を、“なかったことにしない空気”があります。
カウンター越しに交わされるのは、必ずしも性的な話ばかりではありません。 でもその奥にある、なにか満たされなかった想い、言えなかった感情が、少しだけ溶けていくような──そんな時間が、確かに流れていると感じます。
リニューアルしたホームページについて
ちょうど半年の節目に合わせて、P-TOPAZのホームページをリニューアルしました。
今回のリニューアルには、大きく2つの理由があります。
ひとつは、HPの見やすさとわかりやすさの向上。 利用ルールの一部見直しにともない、記載内容も整理し、イベントの告知するスペースを作りました。
もうひとつは、ブログ機能や来店予告掲示板もアップデートし、利用のしやすさを意識しています。
紹介で、友人をそっと連れてくる人たち
このお店の特性上、最初は誰にも言わずに来店される方がほとんどです。 でも、来店を重ねるうちに、時折こんな場面が訪れます。
「今日は、ちょっと友人を一人連れてきました」
声のトーンは静かで、少し照れくさそうに異性の友人をお連れいただいたり、中学時代の同級生をお連れいただくお客様もいらっしゃいました。
でもその背景には、“自分が信頼している場所だから紹介できる”という気持ちがあるのだと思います。
あるいは、飲み会が終わったあと、もう一軒……と、私の顔を思い出して来てくださる方もいます。
大げさな関係ではなくていい。名前を覚えてくれていること、小さな会釈のような安心感。
それがこのお店の空気を作っているのだと、最近になって強く感じます。
半周年イベント、そして気づいたこと
先週、半周年を記念したイベントを3日間にわたって開催しました。
普段は静かなお店が、たくさんの方の来店で賑わい、けれど不思議とその騒がしさは居心地よく、それぞれがそれぞれのペースで楽しんでいました。
小さなお店です。 でも、空間のサイズよりも、人と人の間の距離感の方が、ずっと大切なんだなと、改めて思いました。
この半年間、私ひとりで運営してきたP-TOPAZ。 でも実際には、支えてくれたのは、訪れてくださったすべてのお客様の存在です。
「ここを知っていると、ちょっと安心する」そんな場所に
P-TOPAZは、“なにかを強く求められる場所”ではありません。
たとえ何も起こらなかった夜でも、そこにいたということ自体が、何かの肯定につながる── そんな場所でありたいと思っています。
性のことを自由に語れる空間。 誰かにとっての“もうひとつの夜”になる場所。 そして、自分に戻れる時間を過ごせる店。
札幌で、そんなハプニングバーを探している方にこそ、届いてほしいと思っています。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
P-TOPAZ マスター・R